現代備忘録(仮)

どこかの誰かにとってはきっと有益であろうと思われる記事を書いていきたいです。

大学院を中退しようとした話

私はかつて、大学院の修士課程に在籍していました。しかし、日々のゼミや研究経過報告で指導教官から執拗に怒鳴られ続け、精神的にうつ状態になりつぶれてしまいました。研究はもちろん日常生活すらままならなくなり、中退を決意しました。

この記事は、私自身の経験をただ書いたものです。同じように苦しんでいる院生の方と共有・共感したく、公開しました。

学部生のころ
私はもともと勉強自体は好きでした。B4のとき、希望通りの研究室への配属が決まりました。指導教官は気分屋で、私と馬は合わない予感はしていましたが、研究内容が自分がもっとも興味のある内容だったため、深くは気にしていませんでした。

その後、より専門的な分野を学びたい気持ちから大学院への進学を決めました。

大学院に入って感じた違和感
大学院に入ってすぐ、二つの違和感(入学前とのギャップ)を覚えました。

一つ目は、『勉強』と『研究』の違いです。参考書を読んで勉強するのに比べ、研究はある種泥臭く、費やした時間の割にはリターンが少ないように感じられ初めは戸惑いましたが、研究内容や手法は当時としては新しく興味もあったので、それほど苦には感じませんでした。

二つ目は、指導教官からの指導がぐっと厳しくなったことです。学部生よりも院生に対してより厳しい指導を行うことはまだ理解できますが、大声で怒鳴る、本で机を叩くなど、もはや指導を超えた言動が多くなりました。

私が学部生のころは、同じ研究室に修士課程の先輩がいなかったので、これほどまでに滅茶苦茶に厳しいことを事前に把握できていませんでした。なぜか研究室に先輩がいない、後から思えばこれは危険信号でした。

ゼミの最中など、少しでも間違ったことを言えば大声で怒鳴られ、皆の前で延々と説教。指導教官は私の進級や修了を握っているので、逃げることもできません。(当時は視野が狭く、そもそも逃げるという発想に思い至りませんでした。)

精神的疲労とその限界
ついに同期の一人が中退しました。それから少しあとに、もう一人の同期が精神的に不安定になり不登校状態になりました。M2のころには、特に指導教官から強く当たられていたM1の後輩が中退してしまいました。研究室の学生はB4~D3で合わせて7、8人しかいません。

他の研究室に配属された院生で中退した人など一人もいません。指導教官と研究室のメンバで和気あいあいと平和に過ごしている同期の話を聞くたび、なぜうちだけこんなにつらくて厳しいのか、後悔や羨望でぐちゃぐちゃになりました。

私も心身ともにつらく、食事や睡眠もままならなくなり、気胸のような症状が出たり、理由もなく呆然としてアルバイトを無断欠勤してしまうなど、日常生活に支障が出ていました。

M2の冬、修士論文の発表レビューで滅茶苦茶に怒鳴られ、突然限界が来ました。レビューが終わり机で数時間ぼんやりしたのち、ふっと中退を決めました。中退した後のことは何も考えていませんでした。

まず母親に伝えようと電話をしました。母親が電話に出ると同時に、自分でもわけもわからず涙があふれ出し、何も話せないほど泣いてしまいました。翌日、指導教官の部屋に行って中退したい旨伝えると、そこでもやはりぼろぼろと無意識のうちに涙が止まらなくなり、ああもう終わったなあとか、どうしてこうなったんだろうとか、ぐるぐる考えては、ただただ泣きました。

その後
その後のことはあまり覚えていませんが、修士論文の修正や再レビューは何もせず、発表会の本番だけ出て短く発表し、評価は低いものの修了できることになりました。これは憶測ですが、うちの研究室だけで異常に多くの中退者や行方不明者が出ていたため、これ以上の中退者を出すとまずい事情があったのだろうと思います。

結局、発表会以降、逃げるように大学院を去りました。

それから数年経ちますが、いまだに当時のことを思い出すとつらくなります。この一件があってから、何に対しても百パーセントの力で取り込むことができなくなりました。不適切ではありますが、指導教官が早く早くこの世から消えてほしいと本気で願っています。

最後に
私がこの経験から学んだことは三つです。

  • 仕事においては、興味・関心より人間関係を優先するべき。
  • 心身の疲労に注意するべき。精神的疲労は肉体的疲労より百倍重い。
  • 死ぬ前に逃げるべき。取り返しがつかなくなってからではもう遅い。

国家公務員採用試験の試験結果

人事院に開示請求していた国家公務員採用試験の試験結果が先日送られてきました。

平成二十七年度国家公務員採用試験総合職試験(院卒者試験)の試験結果
特定を避けるためボカして書きますが、試験区分は技術系のいずれかです。経済区分や法律区分ではありません。

 

基礎能力試験

(マーク式)

専門試験

(マーク式)

専門試験

(記述式)

政策課題討議試験

(いわゆるGD)

人物試験

(3:1の面接)

英語加点

TOEICによる加点)

素点 19/30 21/40 21/40 B/(A~E) C/(A~E) 25/25

席次は全受験者中の上位10~20%くらいの位置でした。
 技術系総合職の場合、全科目で五割後半あればとりあえず最終合格は出来るようです。政策討議と人物試験は普通にディスカッションと受け答えが出来ればCは貰えるそうですが、私の場合、民間企業のグループディスカッション(GD)を何度も経験して慣れていたためか、政策討議ではBを貰えました("慣れていた"というだけであって質が高いか否かは別ですが...)。BとCで点数に大きな差があるらしいので、GD未経験の方は民間企業の選考に参加して何度か経験してみておくのをオススメします。

 

平成二十七年度国家公務員採用一般職試験(大卒者試験)の試験結果
特定を避けるためボカして書きますが、試験区分は技術系のいずれかです。行政区分ではありません。

 

基礎能力試験

(マーク式)

専門試験

(マーク式)

専門試験

(小論文)

人物試験

(3:1の面接)

素点 23/40 33/40 7/8 B/(A~E)

席次は全受験者中の上位5~10%くらいの位置でした。
 技術系一般職の場合、全科目で五割あればとりあえず最終合格は出来るようです。専門試験については、参考書や過去問をやり込んで問題に慣れましょう。技術系の過去問集としてまとめられた書籍は無いようですが、人事院に請求すれば有料で郵送してくれます。大学生や大学院生であれば、大学の就職課等で閲覧できる場合がありますので、活用してみて下さい。人物試験については総合職と同じで、民間企業の選考に参加して慣れておくのをオススメします。

 また筆記や面接だけでなく、試験の概要や試験を受けるまで・受けてからの流れについては以前に書いた記事で詳しく述べているつもりなので、そちらも参考にして下さい。

1.行政区分と技術区分
2.総合職採用と一般職採用 については↓

instak.hatenablog.com

3.採用までのステップ(総合職・一般職)
4.基礎能力試験対策(総合職・一般職)
5.専門試験対策(総合職・一般職)
6.専門記述試験対策(総合職) については↓

instak.hatenablog.com

7.官庁個別業務説明会
8.政策課題討議試験および人物試験
補足.民間企業におけるマッチング面談について
9.官庁訪問(総合職・一般職) については↓

instak.hatenablog.com

 いずれの試験であっても、民間企業の選考に参加してGDや面接試験に慣れておくことをオススメします。2017年春新卒者を対象にした経団連の新卒採用スケ ジュールは、8月開始から6月開始に前倒しされる見通しとなっているので、8月に面接試験を行う国家公務員試験と被ることなく選考に参加できるはずです。

以上です。

大阪駅~東京駅間をなるべく安く往復する方法

大阪駅~東京駅間をなるべく安く往復する方法を紹介します。主に就活生向けに書いたつもりです。

関東以外の地域に住む就活生にとって、東京開催の企業説明会や面接試験に出席するのはひと苦労です。時間的にも金銭的にも大きなコストが掛かります。企業によっては交通費を支給してくれる場合もありますが、たいていは二次試験もしくは最終面接のみの支給であって、説明会や筆記試験の場合は交通費等を自己負担することが多いようです。

//**実際のところ、企業の交通費支給制度を悪用する学生もいるようです。企業が交通費等を支給してくれる場合、通常は往復分の領収書の提出を要求されます。したがってちょろまかしようがないように思えますが、残念ながらこれには抜け道があります。いったん新幹線の往復分を購入して乗車券と領収書を手に入れ、その後すぐに窓口でこれを払い戻せば(返品すれば)手元には領収書だけが残ります。後は夜行バスかLCCで安いチケットを取って東京へ行き、あたかも新幹線で来たかのような顔をして新幹線の領収書を提出するのです。法律には詳しくありませんが、たぶん普通に犯罪なのでやめましょう。

就職活動時、私は関西に住んでおり、東京までの交通費をなんとか安くするため、あれやこれやの交通手段を試しました。今回は、その際に分かったことをまとめて書きます。

例として、JR大阪駅からJR東京駅まで移動する場合を考えます。
交通費が安い順に手段一から手段三+例外を紹介します。

 

手段その一:夜行バス
移動時間:約8時間
交通費計:片道約6000円(4000~8000円程度)
移動経路:大阪駅前発→東京駅前着(便数は少なめです)
     大阪駅前発→新宿駅前着の便の方がずっと多いようです

メリット価格が安い。ほとんどの場合LCCよりも安いです。後にも書きますが、LCCの場合は飛行機代自体が安くても空港まで行くのにかなりの時間とお金がかかるため、トータルで見るとやはり夜行バスでの移動が一番安くなります。夜行バスの中でも最も安いのは横四列シートの車両で、月~木なら4000円台で走るバスもあります。また早朝6時頃には東京に到着するため、午前の時間を有効に使う事が出来ます。バス会社によってはブランケット(小さい毛布のようなもの)を貸してもらえたり、ペットボトルでお茶がもらえたりします。夜行バスを予約する際には、そのようなアメニティ(?)や、コンセントが使えるかどうか、車内にトイレが付いているかどうかをチェックしておきましょう。

デメリット夜に車内で眠れないと最悪です。翌日の面接なり筆記試験に障ったら本末転倒です。しかしながら、横三列シートの車両なら成人男性でもそれなりにゆったり座れますし、ギリギリ寝返りも出来るので一睡もできないということはないでしょう(私は毎回2~3時間程度眠れていました)。隣の席の客が変な奴だった場合も辛いです。一度酒臭いおっさんの隣の席を引いてしまい、その時はなかなか眠れませんでした...。また到着日の朝にシャワーで髪や体を洗いたい場合はネットカフェやスパを利用することになるため、+1000円程度掛かります。さらに飛行機や新幹線に比べると事故率が高いです。

私は夜行バスのあの独特な雰囲気が好きです。発進の後、慣れ親しんだ眩しい梅田の街から遠ざかって徐々に窓の外が暗くなっていく寂しさと、新天地へ向けて動き出した興奮がじんわり心に沁みます。なんともたまりませんね。

参考までに、これまでに私が利用したバス会社を紹介しておきます。
・さくら観光:厚くてしっかりしたブランケットを貸してくれます
・WILLER TRAVE:なぜかいつも女性の利用客が多いです
西日本ジェイアールバス:大阪駅と東京駅の構内にバス停があり便利です

 

手段その二:飛行機
移動時間:約4時間
交通費計:片道約8000円(6000~10000円程度)
移動経路:大阪駅→関西空港→成田空港→東京駅(peach、jetstar)
     大阪駅→神戸空港羽田空港→東京駅(skymark)

メリットLCCで安い便を予約出来さえすれば、非常にコストパフォーマンスが良い交通手段です。関空~成田間はpeachとjetstarが通っていますが、曜日や時間帯によって価格は4000円~10000円程度とバラバラです。出発日が近づくにつれて急激に価格が上がっていくので、一週間前までには座席を確保しておくことをお勧めします。また神戸~羽田間はskymarkが通っていて、8000円~10000円程度で乗ることが出来ます。

デメリット空港までが遠いです。大阪駅→関空は約60分、成田→東京駅は約90分掛かり、いずれも片道で1000円程度を要します。飛行機が早くて安かったとしても、空港までの移動で時間もお金も掛かってしまい、飛行機のメリットが半減します。skymarkで神戸→羽田を移動すれば30分以上は短縮できますが、基本的にskymarkはpeachやjetstarよりも運賃が高めに設定されているので、特段skymarkが優れているとも言えません。また飛行機の整備不良や天候の悪化によって大幅に遅延する場合もあります。私も一度昨年の夏に成田→関空peach最終便に乗ろうとした際、機体の整備不良のため一時間弱も出発が遅れたことがありました。結局、関空には確か23時半ごろに到着したと思いますが、既に阪急沿線にある下宿まで帰る電車はなく、梅田まで北上したところでとうとう全ての電車が止まり、仕方なく梅田近辺のネットカフェで一夜を過ごすことになりました。+2000円程度余計に掛かったうえ、翌日もフルに活動できなかったので本末転倒感がありました。あれ以来、最終便には乗らないようにしています。

 

手段その三:新幹線
移動時間:約3時間
交通費計:片道約12000円(学割適用時)
移動経路:大阪駅→新大阪駅→東京駅

メリットもっとも早く、確実な交通手段です。よっぽどのことがない限り運休や遅延もありません。早朝に出発すれば朝9時までに東京に到着することも出来ます。また学割を適用することで、2000円近く割引いてもらうことも出来ます。なお学割でチケットを購入する際には大学発行の学割証が必要となります(学生証を見せても割引いてもらえません)。

デメリット:今回紹介した交通手段の中では一番価格が高いです。しかし価格以外のデメリットは特に見当たりません。新幹線に乗る時はいつも、「新大阪→東京への一回の運行でJRは一体いくら儲けてるんだろう」と考えてしまいます。一般的な新幹線は16両編成で、一両当たりの座席数は約18行5列で約90席あります。1席あたり約14000円なので、全席が埋まった場合の売り上げは、16両×約90席×約14000円=約2千万円!乗車率が50%でも約1千万...初めて計算したけど、すごいでかい額だ(JRボリ過ぎでは)...。なお計算を簡単にするため、車両による座席数の違いや、自由席と指定席、グリーン車による運賃の違いを適当に無視する等しています。

 

手段例外:電車(18切符)
移動時間:約9時間
交通費計:片道約3000円
移動経路:大阪駅→6回程度乗換→東京駅

メリット最強に安い。途中下車出来る。ひたすら車窓を眺めるのもなかなか楽しいものです。時間に十分余裕があり、体力に自信があるならおすすめします。

デメリット:実質一日丸々を移動に費やしているようなものなので、かなりの体力を使います。座っている時間が長すぎて、おしりが割れます。また18切符の利用期間内(3上旬~4月中旬、7月下旬~9月中旬、12月中旬~1月中旬)しか利用できません。18切符は一回分毎のバラ売りはしておらず、五回分1セット11850円でしか購入出来ません。金券ショップに行けばバラ売りもしてくれますが、たいていべらぼうに高い価格設定をしているので、あまりおすすめしません。なので、まず普通に五回分の切符を買い、一回分を使用した後すぐに金券ショップ等へ売りましょう。上手くいけば8000円近くで売ることもできます。遅く売れば売るほど価値が下がり、安く買い叩かれてしまいます。


以上をまとめておきます。

大阪駅→東京駅間の交通手段の比較

 移動時間交通費(片道)乗換数遅延率事故率疲労度
夜行バス 約8時間 約6000円 0回
飛行機 約4時間 約8000円 2回 極低
新幹線 約3時間 約12000円 1回 極低 極低 極低
電車 約9時間 約3000円 6回 極低 極高

以上。

理系院生の国家公務員採用試験受験および民間就職活動の記録(3/3)

前回、前々回に引き続く内容の記事です。
今回は、下記の7から9について述べます。

1.行政区分と技術区分
2.総合職採用と一般職採用
3.採用までのステップ(総合職・一般職)
4.基礎能力試験対策(総合職・一般職)
5.専門試験対策(総合職・一般職)
6.専門記述式試験対策(総合職)
7.官庁個別業務説明会
8.政策課題討議試験および人物試験
補足.民間企業におけるマッチング面談について
9.官庁訪問(総合職・一般職)

 

7.官庁個別業務説明会
 この項目では、一般職大卒についてのみ説明します。総合職については、一次二次の筆記が悪く完全に勝負を放棄していたので、説明会には参加していません。そのため詳細が分かりません。

 官庁個別業務説明会とは、各省庁等が、自分たちの職場にて独自に開催する業務説明会です。一次試験の合格発表の翌週くらいから始まります。基本的に電話予約が必要です。説明会とは言え、実質ほぼ選考の様なものです。誰が何を質問したかを記録され、目に留まった受験生には後日、電話にて二回目の説明会参加の誘いを出し、さらに優秀と見なされれば三回目...、という具合に受験生が絞られていくようです。省庁によっては、説明会開始前または終了時に、アンケートとして簡単な志望動機や自己PRを書かされるところもあるそうです。

 私も某局の業務説明会(という名の面接選考的なもの)に何度か参加しましたが、だいたい上記の様な流れでした。職員3人と受験生4人が向かい合い、一人ひとり順番に質問していく..といった、どこからどう見ても集団面接ですやんという「説明会」もありました。二回目、三回目になると、「当局としては貴方を高く評価しています。官庁訪問の際には、是非ウチに来て下さいね。」的なことを言ってくれます。一次試験合格発表直後、官庁訪問前から、既に戦いは始まっています。希望する省庁の説明会には絶対に参加しましょう。

 これとは別に、官庁合同業務説明会と言う人事院主催の説明会もあります。複数の省庁が一同に介し、簡単な業務説明を行ないます。こちらは一次試験の合格発表後すぐに開催されます。基本的に電話予約は不要です。複数の省庁の説明を同日に聞くことが出来ますし、アンケート等で「出席した」という足跡を残しておけば、後日電話にて説明会や官庁訪問のお誘いを貰える可能性もあります。

 選考的意味合いの無い軽めの説明会は、試験前年の秋冬頃から行われています。それらの説明会で話を聞く等して、どの省庁を希望するか、早い目に決めておきましょう。

 

8.政策課題討議試験および人物試験
 まず政策課題討議試験から説明します。政策課題討議試験は総合職院卒にのみ課され、人物試験と同日に行なわれます。4~6人くらいのグループで、ある社会課題等に対して国としてどのような施策を打つべきかをディスカッションし、グループとしての方針を纏める試験です。この説明では良く分からないので、自分が受けた際の経験談を書きます。

 特定を避けるため多少ぼかして書きますが、私の場合7月の中旬~下旬頃の某日午後に、某所にて受けました。試験開始30分くらい前に到着し、案内に従って住民票記載事項証明書(事前に市役所で手続きをする)やTOEICの成績表等を提出しました。試験開始時間になると、まず政策課題討議試験のテーマと問題文が書かれた数ページの問題用紙(一部英語)と、白紙の解答用紙を配られました。テーマは「地方創生」で、簡単に言えば「どうやって過疎地方を活性化すれば良いか考えよ」というものです。制限時間内に、解答用紙に箇条書きで自分の意見をまとめ、現状と対策、その対策を考えた理由を短く書きました。その後、解答用紙は回収されました。

 2~30分後、試験官3人と受験生4~6人毎に一つの部屋に入れられた後、自分を含めたグループ全員分の解答用紙のコピーが配られました。解答用紙に沿って一人ひとり自分の意見を述べた後、ディスカッションを行ない、共通の認識を確認したり、割れた意見を調整したりする等して、グループ全体としての意見をまとめました。試験の最後に一人ひとり口頭でディスカッションを経た上での意見と感想等を簡単に短く述べました。始めに主張した意見に固執せず、ディスカッションのフィードバックを上手く組み入れて意見を述べることが大事なように思いました。

 そのまた数十分後、人物試験を受けました。人物試験とは個人面接のことで、総合職一般職問わず必ず課されます。いずれも時間は確か20分程度で、面接官3人:受験生1人でした。事前に提出した面接カード(当項目内で後述します)に沿って、多少掘り下げた質問をされました。私の場合、国家公務員を志望したきっかけ、学生時代に力を入れたこと、後は趣味について聞かれました。圧迫感は全くなく、民間企業の面接よりずっと和やかでした。

 私はどちらかと言うと面接が苦手なタイプでしたが、民間企業で散々場数を踏んだおかげで落ち着いて受けることが出来ました。質問の掘り下げパターンや面接の流れについても、民間企業の人事面接と全く変わりありません。民間企業と並行している方なら、特に改まって「国家公務員向けの面接対策」などをする必要は無いと思います。

補足
 面接カードについて説明します。面接カードとは、いわゆるエントリーシート(ES)です。志望動機や自己PR、学生時代に力を入れたこと、趣味特技、志望省庁等を記入する用紙のことで、人物試験の数週間前から人事院の管理するHPでダウンロードすることが出来ます。印刷して手書きで記入しましょう。

 また人事院は数年前から「コンピテンシー」とやらを特に重視しているようです。例えば「学生時代は部活を頑張りました」と書くと、「なぜ部活を頑張ろうと思ったのか」「困難をどう乗り越えたか」「どんな力が付いたか」等が聞かれます。上記の様な質問を想定した上で、面接カードにもあらかじめ短く説明を書いている方が評価が高い、と就職課の職員さんが話していました。参考程度に。

 

補足.民間企業におけるマッチング面談について
 第一志望は民間企業だけど、いちおう国家公務員採用試験も受けておこうかな、という方に向けて書きます。2015年から就職活動の時期が後ろにずれ、経団連加盟企業の面接選考と国家公務員総合職の官庁訪問が全て8月上旬に集中し、日程がダダ被りすることになってしまいました。一見すると、民間企業と国家公務員総合職の併願が困難になったかのように見えますが、実際はそうでもありません。

 なぜなら、経団連加盟企業の多くは8月以前に実質的な選考を進めているからです。特に理工系の大学生・大学院生については、4~7月に「マッチング面談」なる面接的なものを実施し、面談をパスした学生を8月上旬の「面接」に呼び、形式的な面接を行なった後、内々定を出します。ちなみに私の仲間内で「面接」で落とされた人はいません。サンプルが少なすぎて頼りにならないかもしれませんが、おそらく実質的には4~7月で経団連加盟企業の選考はほぼ終わっています。従って、8月上旬は官庁訪問に集中出来ます。

 8月上旬の「面接」で民間企業から内々定が出ればそこで就職活動を終了し、落としたならば総合職の官庁訪問に切り替え、それでも駄目なら8月下旬に始まる一般職の官庁訪問に挑戦する、というふうにセーフテーネットを何重にも張っておく事も出来ます。

 

9.官庁訪問(総合職・一般職)
 官庁訪問は、各省庁等が実施する面接試験です。私は総合職の官庁訪問にしか参加していないので、総合職を中心に書きます。総合職の官庁訪問は第一クールから第四クールくらいまであり、各クールで2~4回程度の面接試験があります。それら全てのクールの面接試験を通過すると、内々定が貰えます。以下、経験談です。

 私の場合、官庁訪問第一クール初日にはどうしても外せない用事があり、官庁訪問第一クール二日目に第一希望の省庁を訪問しました。第一希望なら初日に行くのが当たり前だそうなので、既に分が悪い感がありました。また私は、まさか最終合格すると思っていなかったので、説明会等に全く参加していませんでした。その上、私は東大生でも京大生でもなく、さらに試験の席次(人事院から送られてくる合格通知のハガキに記載してあります)も良くありません。正直ほとんど勝算が無いと思っていましたが、せっかく霞ヶ関行きのチケットを手に入れたのだからと、半分社会見学の気持ちで第一志望だった某省を訪問することにしました。

 当日、初めての霞ヶ関でわくわくしました。高層ビル群を眺めながら、「この辺りのわずか半径1km内で日本が運営されているんだなあ」としみじみ感心しました。さて午前10時頃、庁舎に入り控え室に通されました。控え室には20人ほどの受験生がおり、特に堅苦しい風でもなく、皆談笑していました。民間企業の控え室より良い意味でずっと軽く、ゆるく、和やかな空気でした。

 面接の際には一人ずつ順番に呼ばれ、職員と共に別室へ移動します。私が訪問した某省は1:1の20分程度の面接でした。志望動機や学生時代のこと、休日の過ごし方、最近の政治経済等、質問内容は様々でした。面接が終わると控え室に戻り、二時間後くらいにまた呼ばれ、別の職員と面接をし...ということを4回ほど繰り返し、その内に日が暮れてしまいました。職員から「見込みが無い」と判断された受験生は、12時や16時に早々に帰らされていたようで、徐々に控え室の人数が少なくなっていきました。20時頃、控え室が遂に10人程になった頃、「荷物を持って来て下さい」と呼ばれ、別室で第一クール通過の旨を伝えられました。その場でフィードバックを受け、第二クール訪問の予約をした後、庁舎を出ました。

 初回訪問が二日目でも、説明会不参加でも、非東大京大で席次が低くても、通過することは出来ます。私は別に口が達者な訳でも、決して頭が切れる方でもないので、省に合った人材かとかそういう所を評価されたのかもしれません。その後、第二クール訪問予約日前に第一志望の民間企業から内々定をいただいたので、結局訪問は辞退させていただきました。もちろん、第二クールで何かをやらかして早々に落とされる可能性も大いにありましたが、訪問日や学歴等を重要視しない省庁もあるということを伝えたく、この様な書き方をしました。


まとめ
 理系でも、大学や大学院で学んだ専門を活かして技術系国家公務員になることが出来ます。特に一般職なら、文系枠よりも倍率が低く、意外と穴場です。大学で真面目に勉強しているのなら、予備校等に通う必要もありません。民間企業の就職活動も、特に難なく並行して進めることも出来ます。また一般職大卒の場合、内定後に院を最悪中途退学しても基本的には内定は取り消されず、たいていは通常通り採用されるようです。

 

以上です。参考になれば幸いです。

理系院生の国家公務員採用試験受験および民間就職活動の記録(2/3)

前回に引き続く内容の記事です。
今回は、以下の3から6について述べます。

1.行政区分と技術区分
2.総合職採用と一般職採用
3.採用までのステップ(総合職・一般職)
4.基礎能力試験対策(総合職・一般職)
5.専門試験対策(総合職・一般職)
6.専門記述式試験対策(総合職)
7.官庁個別業務説明会
8.政策課題討議試験および人物試験
補足.民間企業におけるマッチング面談について
9.官庁訪問(総合職・一般職)

 

 私は就職活動時期、国家公務員の試験スケジュールが良く分からず難儀しました。7月頭位まで「最終合格って結局何?」「官庁訪問っていつするん?」という感じでした。

 スケジュールが分かりにくい理由はズバリ、国家公務員採用試験と官庁訪問の実施機関が異なるためです。国家公務員採用試験は人事院の管轄で、一方、官庁訪問を実施するのは各省庁等(国土交通省内閣官房、税関、造幣局等)です。両者の採用活動が微妙にオーバーラップしているため、初見では非常にややこしいことになっています。

 以下「3.採用までのステップ(総合職・一般職)」において、人事院実施の選考等には【人事院】、各省庁実施の選考もしくは選考的なものには【各省庁】と記しました。人事院のHPより分かりやすく書いたつもりです。

 また後述しますが、官庁訪問とは各省庁が実施する面接試験と考えて下さい。説明会ではありません。選考プロセスの一つです。参加しないと、ほぼ採用されません。

 

3.採用までのステップ(総合職・一般職)
 理系院生の場合、「総合職院卒の技術区分」と「一般職大卒の技術区分」を併願することが出来ます。以下に記した[残存率○○%]は、受験申込者数に対する、各選考を通過した受験者数の割合です。この数字は私が受けた区分のものなので、区分もしくは年度によっては全く異なる場合があります。参考程度にお願いします。

===総合職院卒技術区分の場合===
受験申込[残存率100%]
 【人事院】4/1~4/8
  ↓
①一次試験(基礎能力と専門のマーク試験)
 【人事院】5/24
  ↓
 一次試験合格発表[残存率30%程度]
 合格すれば二次試験を受けることが出来る
 【人事院】6/9
  ↓
 一次試験合格者向けの官庁個別業務説明会
 説明会と称しながら半分選考っぽいことをしている省庁もあるようです
 詳しくは「7.官庁個別業務説明会」で説明します
 【各省庁】【人事院】6月中旬~7月下旬に数回
  ↓
②二次試験(専門記述、院試のような記述試験)
 【人事院】6/28
  ↓
③政策課題討議試験(いわゆるGD)と人物試験(3:1の個別面接)
 【人事院】7/2~7/17
  ↓
 最終合格発表(①~③の点数を総合して合否が出る)[残存率15%程度]
 最終合格して初めて省庁に面接を受けに行く為の権利を得る
 (最終合格する=省庁に面接を受けに行く為のチケットを得る≠内々定
 【人事院】7/31
  ↓
 官庁訪問予約開始
 8/5訪問希望なら予約不要の場合も有
 【各省庁】8/5
  ↓
官庁訪問第一クール(2~4回程度の面接)
 【各省庁】8/5~7
  ↓
 通過[残存率10%程度]
 官庁訪問第二クールへ進むことが出来る
  ↓
官庁訪問第二クール(2~4回程度の面接)
 【各省庁】8/10~12
  ↓
 通過[残存率不明]
 官庁訪問第三クールへ進むことが出来る
  ↓
官庁訪問第三クール(2~4回程度の面接)
 【各省庁】8/13~14
  ↓
 通過[残存率不明]
 官庁訪問第四クールへ進むことが出来る
  ↓
官庁訪問第四クール(1~2回程度の面接)
 【各省庁】8/17
  ↓
 通過=内々定![残存率5%程度]
 【各省庁】8/18

 上記において、①~③が人事院が実施する国家公務員採用試験に当たり、③の試験をパスすることを「最終合格」と言います。最終合格して初めて、希望省庁に行って面接を受ける権利を、チケットを得ることが出来ます。

 なお、チケットの有効期限は3年です。つまり、2016年の大学四年の夏に大卒枠で③までパス(=最終合格)し、その翌々年、2018年の修士二年の夏に④~⑦の官庁訪問(=希望省庁での面接)をパスして内々定を貰い、翌年2019年の4月から国家公務員として働き始めることも出来ます。
 官庁訪問については「9.官庁訪問(総合職・一般職)」で詳しく説明します。

 

===一般職大卒技術区分の場合===

受験申込[残存率100%]
 【人事院】4/9~4/20
  ↓
①一次試験(基礎能力と専門のマーク試験、および小論文)
 【人事院】6/14
  ↓
 一次試験合格発表[残存率60%程度]
 合格すれば人物試験を受けることが出来る
 【人事院】7/8
  ↓
②一次試験合格者向けの官庁個別業務説明会
 説明会という名の選考です。必ず、絶対に参加しましょう
 詳しくは「7.官庁個別業務説明会」で説明します
 【各省庁】【人事院】8/13~8/17辺り
  ↓
③人物試験(3:1の個別面接)
 【人事院】7/22~8/10
  ↓
 官庁訪問予約受付開始
 【各省庁】8/18
  ↓
官庁訪問第一回目(複数回の面接)
 【各省庁】8/20~
  ↓
 通過[残存率不明]
 以降、官庁訪問が何回あるのか分かりません
 某掲示板を見る限り、計一回か二回程度のようです(不確か)
  ↓
 最終合格発表(①と③の点数を総合して合否が出る)[残存率50%程度]
 最終合格して初めて出先機関に面接を受けに行く為の権利を得る
 (最終合格する=出先機関に面接を受けに行く為のチケットを得る≠内々定
 【人事院】8/25
  ↓
 通過=内々定![残存率30%程度]
 【各省庁】8/25~

 最終合格と有効期限については、上記の総合職院卒技術区分の場合と同じです。

 平成27年度一般職大卒ではどういう訳か、官庁訪問が大方修了した後に最終合格不合格が発表されるという意味不明なスケジュールでした。そのため、官庁訪問で散々面接をして「是非ウチに来てくれ!」と言われても、その後最終合格が得られなければ官庁訪問での面接は全て意味が無くなり、結局採用されません。何故このような日程になってしまったのかは分かりません。

 官庁訪問については「9.官庁訪問(総合職・一般職)」で詳しく説明します。

 

4.基礎能力試験対策(総合職・一般職)
 マーク式の試験で、出題範囲は国語、英語、推理、計算、理科、社会です。総合職は30問、一般職は40問で、試験時間は総合職一般職ともに2時間20分です。国英理社はセンター試験等でお馴染の問題です。出版社や予備校各社から過去問集が出版されているので、必ず確認しておいて下さい。人事院のHPからでも例題を見ることが出来ます[1]。
 私の場合、社会の教養が無さ過ぎたので、以下の参考書を一冊読んで最低限の勉強をしました。

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 社会科学

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 社会科学

 

  一番大事なのは推理と計算です。その理由は、全問題数の3~4割を占めていてウェイトが大きく、また対策をすればするほど点数が伸びる傾向があるからです。例年同じような類の問題が出題されているので、過去問や問題集でひたすら問題を解き、解法を覚えることで、バンバン解けるようになります。
 参考までに、私が使用した参考書を紹介しておきます。

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 判断推理

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 判断推理

 
公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 数的推理

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 数的推理

 
国家一般職[大卒]教養試験 過去問500 2016年度 (公務員試験 合格の500シリーズ 3)

国家一般職[大卒]教養試験 過去問500 2016年度 (公務員試験 合格の500シリーズ 3)

 

 4ヶ月ほどかけて、過去問ゼミを各2周+3年分の過去問を解きました。総合職と一般職、行政と技術で、基礎能力試験対策に大きな違いはありません。とにかく問題に慣れて下さい。

 おおよその目安ですが、技術区分の場合、全体平均は5割、合格者平均は6割くらいだそうです。合否は他の試験との合算で決まりますが、総合職一般職ともに、3~5割で下位合格、5~7割で中位合格、7~9割で上位合格くらいのイメージです。他が平均程度取れているのなら、6割あれば合格は堅いです。
 ちなみに私は、総合職で6割程度、一般職も6割程度でした。

 
5.専門試験対策(総合職・一般職)
 マーク式の試験で、出題範囲は各区分の専門分野です。総合職一般職ともに40問、試験時間は総合職が3時間30分、一般職は3時間です。なお、総合職については一部の必須問題を除いて、問題を選択して解くことが出来ます。

 専門試験については過去問を解くに尽きます。とは言え、基礎能力試験のようにまとまった過去問集は出版されていません。大学の就職課やキャリア課が保管している場合が多いようなので、早い目に確認しておきましょう。私も大学の就職課で過去問のコピーを取らせてもらい、一般職の過去問を3年分ほど解きました。

 おおよその目安ですが、技術区分の場合、全体平均は5.5割、合格者平均は6.5割くらいだそうです。合否は他の試験との合算で決まりますが、一般職の場合、4~6割で下位合格、6~8割で中位合格、8~10割で上位合格くらいのイメージです。他が平均程度取れているのなら、7割あれば合格は堅いです。総合職はマイナス1割くらいで換算するイメージです。つまり、6割取れれば何とかなります。
 ちなみに私は、総合職で5割程度、一般職は8割程度でした。

 

補足
 一般職大卒の技術区分では、基礎能力試験、専門試験と同日に、小論文試験が課されます。問題用紙には、3分あれば十分読める程度の文量で問題文が書いてあります。お題は、例えば現代の社会問題や、科学技術の発展、さらには東京五輪等時事に関するテーマ等らしいです。自分が受けた時は2020年東京五輪がお題でした。で、結局何が問われるのかと言うと、私が受験した区分では、いずれの年度も「まず現状と問題を述べ対策を挙げよ。また技術系国家公務員としてどう貢献出来るかを書け」といった内容でした。

 うろ覚えですが、B4裏表くらいの大きさの横書きの作文用紙が渡されます。何故かルビ(振り仮名)を振るスペースがありましたが、私はルビを振らず提出しました(減点とかあるのかな...)。

 噂ではおもて面を8割以上埋め、危険な思想が無く、著しく論理が破たんしておらず、ギリギリ判読可能な文字を書いていれば、内容が多少アレでも大概は何とかなるようです。とは言え、受験者の1割くらいは小論文で弾かれているらしい(某掲示板の噂です)ので、油断せず望んで下さい。ニュースを軽く観ておく程度で、特に対策はいらないと思います。


6.専門記述式試験対策(総合職)
 記述式の試験で、出題範囲は各区分の専門分野です。総合職のみに課され、院卒の場合、大問2つを選択して解答します。試験時間は3時間30分です。

 難易度、問題構成、出題範囲ともに旧帝大学院入試レベルです。とても難しかったです。情けない話ですが、自分は半分も解くことが出来ませんでした。専門記述試験についても、専門試験と同様、大学の就職課やキャリア課が過去問を保管している場合が多いようなので、早い目に確認しておきましょう。自分は民間企業の就職活動が忙しく、何も対策をしないまま試験に臨んでしまいましたが...。物理量や専門用語の定義、各種方程式や公式を見直すだけでも意味があると思います。

 おおよその目安ですが、全体平均は5割程度のようです。4~5割で下位合格、5~6割で中位合格、6割以上で上位合格くらいのイメージです。記述に関しては、現時点で自分の点数も知ることが出来ていないので、かなり適当なイメージです。書いておいてアレですが、あまり参考にしないで下さい。
 ちなみに私は、4~5割程度でした(予想)。

 

 筆記が全て終了した段階で、私は総合職についてはほぼ完全に諦め、民間企業と一般職に注力しました。基礎6割+専門5割+記述4割では、GDと面接でよほど高い点数を取らないと勝負になりません。しかしいざ蓋をあけると、席次下位ながら最終合格していました。おそらく、民間企業で散々GDや面接を受けまくったお陰で(沢山落とされましたが...)、公務員一本の周りの受験生よりも場慣れ出来ていたんだと思います。その点では、民間企業の就職活動と並行していて良かったと思いました。


本日は以上です。

7.官庁個別業務説明会
8.政策課題討議試験および人物試験
補足.民間企業におけるマッチング面談について
9.官庁訪問(総合職・一般職)

については、次回の記事で述べます。

 
以上

 

[1]人事院 国家公務員試験採用情報ナビ 試験問題例 院卒・大卒程度
http://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/mondairei_top.htm

理系院生の国家公務員採用試験受験および民間就職活動の記録(1/3)

 理系の大学生および大学院生で、独学で、国家公務員採用試験の技術区分での受験を検討している方に向けて、この記事を書きます。

 技術系国家公務員の情報はとても少なく、私自身、就職活動の時期には情報収集諸々において大変苦労しました。「知らなかった」ことでチャンスを逃したこともあります。技術区分の受験を検討されている方ならもうお気付きかもしれませんが、試験勉強や面接対策よりもむしろ情報収集の方が難しく、意外と時間を食います。情報とは、過去の試験の内容や面接の形式、面接カード(ES的なもの)の書き方、説明会等予約の取り方についての知識と情報のことです。

 しかしながら、情報さえ収集できれば、後は意外と何とかなります。多くの文系の受験生のように予備校に通う必要もありません。なぜなら、技術区分は行政区分(主に文系の大学生が受ける区分)に比べて、倍率がグッと低いからです。

参考までに、平成27年度一般職大卒の場合、
行政区分受験申込者数30007人 → 最終合格者5137人 倍率5.84倍
技術区分受験申込者数 5633人 → 最終合格者2210人 倍率2.55倍
となっています[1]。

受験申込はしたが結局受験しない人、途中で辞退する人もいるので、実質平均点以上取ることが出来れば一般職大卒技術区分については合格出来ます※。とは言え、総合職は行政、技術共にそれなりに難しいです。

※化学系専攻の方のみ全く話が違います。[1]にて倍率を確認して見て下さい。

 

 私は平成27年度の国家公務員採用試験(総合職院卒および一般職大卒)の技術区分を受験し、両方に合格しました。2014年の10月頃から情報集めを開始し、2015年の8月上旬まで就職活動を行っていました。また同時並行で民間企業の就職活動も行い、最終的には民間企業の内々定を承諾しました。その中で知った事、および知っていると有益だと思われることを書いていきます。

留意点
 1.私の学力の参考までに、某国立大の理工系学部を出ています。
 2.以下の内容には、一部信憑性の低い伝聞や噂話も含まれています。
 3.試験日程は全て2015年度のものであり、年度によって多少前後します。

全体を通して参考程度に軽く読むくらいでお願いします。


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まずざっくり就職活動のスケジュールを書いてから、その後に番号付けをした項目の詳細を述べます。【国家】は国家公務員総合職・一般職関係、(民間)は民間企業関係、(研究)は大学院での研究活動関係の内容です。


===私の就職活動スケジュール===
2014年
 10月 【国家】人事院主催の国家公務員採用試験説明会で試験の詳細を知る
         →「1.行政区分と技術区分」へ
         →「2.総合職採用と一般職採用」へ
         →「3.採用までのステップ(総合職・一般職)
     【国家】基礎能力試験に向けて勉強を始める
         →「4.基礎能力試験対策(総合職・一般職)

 11月 (研究)中間研究報告会に向けて研究を行なう

 12月 (研究)研究がまとまらず毎夜泣く
         国家公務員採用試験の勉強を休止し、研究に専念する

2015年
  1月 【国家】人事院主催の技術区分受験者向けの国家公務員業務説明会にて
         省庁の採用担当者から直接、業務の詳細について説明を受ける

  2月 (研究)中間研究報告会をギリギリで乗り切る

  3月 【国家】専門試験に向けて勉強を始める
         →「5.専門試験対策(総合職・一般職)
     (民間)合同企業説明会や学内外の個別企業説明会に出席する

  4月 【国家】総合職試験および一般職試験にインターネットから申し込む

  5月 【国家】総合職試験の一次試験を受ける(24日日曜日)

  6月 【国家】一般職試験の一次試験を受ける(14日日曜日)
     【国家】総合職試験の二次試験を受ける(28日日曜日)
         →「6.専門記述式試験対策(総合職)」
     (民間)面接等でカレンダーが埋まり、多忙を極める

  7月 【国家】総合職・一般職の技術系メインの官庁業務説明会に出席する
         →「7.官庁個別業務説明会
     【国家】総合職の政策課題討議試験および人物試験を受ける
         →「8.政策課題討議試験および人物試験
     【国家】一般職の人物試験を受ける
     (民間)第一志望の経団連加盟企業においてマッチングが成立する
         →「補足.民間企業におけるマッチング面談について

  8月 【国家】霞が関にて、総合職の官庁訪問が始まる(5日~18日)
         →「9.官庁訪問(総合職・一般職)
     【国家】地方出先機関にて一般職の官庁訪問が始まる(20日~?日)
     (民間)第一志望の経団連加盟企業から内々定を頂き、これを承諾する
         就職活動を終了する
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1.行政区分と技術区分
 国家公務員採用試験には、大きく二つの受験区分があります。一つは行政区分で、主に法律や経済を学んだ学生が受験する区分です。入省後は「事務官」となります。もう一つは技術区分で、主に工学や理学、農学、薬学等を学んだ学生が受験する区分です。入省後は「技官」となります。技術区分は、電気電子情報区分、化学区分、土木区分等と細かく分かれており、自分の専攻に近い区分を選択することによって、大学で学んだ専門をほぼダイレクトに活かすことが出来ます。また法律や経済等からの出題はほとんどありません。

 もちろん理工系学部の学生であっても、法律や経済を勉強すれば行政区分で勝負することは出来ますが、技術区分より倍率が高い上、法律経済を専門で学んできた文系大学生と同じ土俵で戦うことになります。しかしながら入省・入庁後、事務官は技官よりも比較的早く、より高い位に昇進・出世出来るらしく(信憑性の無い噂です)、理工系でも法律経済を勉強して行政区分を受ける方も一部いるそうです。


2.総合職採用と一般職採用
 国家公務員には、総合職採用と一般職採用があります。総合職は院卒と大卒、一般職は大卒と高卒が対象です。

 総合職はいわゆる官僚やキャリアと呼ばれる人たちで、霞が関を拠点に2~4年(?)ごとに全国各地の関係部署を異動・転勤します。ちなみに霞が関勤務はもの凄く激務らしく、終電で帰ることが出来ないことも良くあるそうです。財務省(旧大蔵省)には、庁舎内に宿泊用のベッドを並べた部屋、通称「ホテルオークラ」なる一室があるという噂話を聞いたことがあります。

 一般職はいわゆるノンキャリアで、地方の出先機関が主な勤務地になります。技官の場合、勤務地は原則「全国」となっていますが、実際は各省庁によって全く異なります。全国転勤有と書いていながら、実際はほとんど転勤がない省庁や、そもそも部署が一か所しかないから転勤のしようがない機関もあります。説明会等でしっかり聞いておきましょう。

 なお、大学院生(修士)が一般職大卒枠で採用され、その翌年の春に修士号を取った場合、2年間の実務経験があるものとして給料に反映される場合があるそうです。つまりその場合、大学院卒(修士)の初任給は、大卒三年目の月給と等しくなります。また、大学院に在籍している場合、一般職大卒で内定を貰った後に大学院を中退しても特に問題はありません(採用担当には嫌な顔をされそうですが...)。なぜなら、大学院に在籍しているということは、既に大卒の資格を持っているということであり、一般職大卒の受験資格を満たしているからです。民間企業の院卒枠で内定を貰ってしまうと、修士号を落とすと通常は内定取り消しになってしまいますが、一般職大卒は通常通り採用されます。そのため毎年、大学院が辛くて辛くて仕方ない院生や、修士論文を書ける見込みが全く無い院生も、中退を見越して数多く受験しているとかいないとか...


理系院生の場合は「総合職院卒の技術区分」と「一般職大卒の技術区分」を併願、
理系学部生の場合「総合職大卒の技術区分」と「一般職大卒の技術区分」を併願する人が多いようです。


久しぶりに文章をたくさん(?)書いたので疲れました。
3.採用までのステップ(総合職・一般職)」以降は、次回および次々回の記事で述べます。


以上


[1]人事院 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)http://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/ippannsyoku/daisotsuteido_ippannsyoku/ippann_daisotu.html